毎年、「オンデマンドでやさしい日本語講座」の動画作成の依頼をいただいている、大阪府商工会連合会様から、「相談会の講師」という、少し趣の違う依頼をいただきました。
今回のご依頼は「課題解決環境整備の専門家派遣事業」の一環で、やさしい日本語の専門家として老邑が委嘱派遣されました。と書くと、ずいぶん難しい仕事?と思われるかもしれませんが、これは、私たちが普段から行っているやさしい日本語の講座やセミナーの延長線上で、大阪の中小企業や小規模事業者が「生産性向上」や「働き方改革」などの課題に円滑に対応できるよう、専門家が相談に乗るというものです。
「製造現場で、いかにわかりやすくやさしい日本語で伝えるか」がテーマです。
立春が過ぎ、少し寒さの緩んだ2月17日に伺ったのは、富田林市の工業団地に位置する株式会社大晃化成様。
食品や家庭用品のパッケージの製造や包装を行っている製造業です。ここでは、現在、外国人従業員と日本人社員が
同じ工程で働いておられますが、生産性や品質を保つための両者間のコミュニケーションに悩みをお持ちでした。
そんな中、大阪商工会連合会のHPで私たちの「オンデマンドでやさしい日本語講座」の動画をご覧になり、現場で働く人たちの負担や不安を軽減できればと、今回のご依頼となりました。
品質管理部や製造部の6名の方々と膝を突き合わせてざっくばらんな雰囲気の中、現場の皆さんのお悩みにお答えしていきます。
すでにやさしい日本語については、動画をご覧になり、一定の知識をお持ちでしたので、短くレクチャーした後、困り事の相談に時間をとりました。例えば、「外国人労働者に業務上の指示が通らないこと。通っているかどうかわからない。指示した後には『はい』と答えてくれるが、やってもらったら、できないことが多い」とのお悩み。
これには指示の確認が大切だが、「わかりましたか」「大丈夫ですか」と、「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンで聞くのではなく、「これはどこに入れますか」「いつやりますか」など文で答えるオープンクエスチョンで確認したらいいですよとアドバイスしました。
さらに、「オノマトペが理解できない。通じない。言い換え方を知りたい。」、「器具の置き場所、整理整頓、管理の表記をどうしたら…」などと、お悩みが数珠つなぎで出てきます。
いつも講座で取り上げているこんなテーマについて、現場の生の声を伺えたことで、私自身も学びの深い相談会になりました。
すでに相談会を終え、門を出ようとしている私の横を、「お疲れ様でした~。また明日」とアルバイトの留学生が自転車で元気に通り過ぎていきます。
日本語学校の午後のクラスに急ぐ彼女の後ろ姿に、外国人を雇うこと、雇われることの新しい時代が近づいていると感じました。
(記:老邑)




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