兵庫県上郡町でやさしい日本語講座

 

2025年9月14日(日)、一般社団法人かみごおり観光協会様主催「やさしい日本語講座」の講師を担当しました。
(講師:岸本・老邑)

 

 

 参加者の皆さんは、日本人約20名(うち高校生1名)、ベトナム人女性1名。

 

 兵庫県の静かな町上郡にも最近外国人住民や、外国人観光客の方がじわじわと増えてきています。

そこで、外国人とコミュニケーションする時に便利なやさしい日本語について、2時間の講座とワークショップが開催されました。

 ほとんどの方が「やさしい日本語」という言葉を聞いたことがないという状況で講座は始まりました。

前半はいつものようにやさしい日本語の基礎知識についてお話ししました。漢字や敬語は外国の方には難しいことが多いですと

説明し、そのあと言い換え練習問題に取り組みました。

 

 練習問題はいくつか地元の現状につながるものを用意しました。

たとえば「ゴミを捨てる時は、上郡町指定のゴミ袋を使用してください。」この文をやさしい日本語に言い換えます。すると
「ゴミは黄色い袋を使って捨ててください」という答えが参加者の方から返ってきました。上郡町指定のゴミ袋は実は黄色だったんですね!「ゴミを捨てる袋は決まっています。スーパーやコープで買うことができます。」というモデル解答よりも、もっとずっと伝わりやすい解答に拍手!

 

 今回、日本人がやさしい日本語を使う練習をするので、どなたか外国人に参加してもらいたいとお願いして、

やっと来ていただいたのがベトナム人女性のハーさん。今年3月に上郡町に来たところだそうです。

彼女が参加してくださったおかげで、参加者の皆さんは本物の外国人と話せるチャンス!とばかりに、

積極的に質問したり声をかけておられました。

  

 

  後半はいつものようにワークショップ。

 今回の講座では、「やさしい日本語を知って、使えるようになる」というメインテーマがありました。しかし、そのためには

まず、住民同士のコミュニケーションを活性化してからということで、頭と体を使ってみんなの笑顔作りから始めました。

 そこで、体と頭を使って皆んなが笑顔になるようなものをと、ペアで、相手と息を合わせなければできない手拍子のもちつき「もちつきワーク」とグループでじゃんけんをして、出している指の数を足し算する「じゃんけんコール」を行いました。

指定した数になったら、みんなで両手を上げて大声で「ばんざーい」と叫ぶのですが、どのグループも笑顔にあふれ、だんだん声のボリュームがアップしていき、コミュニケーションの極意を感じてもらえるアイスブレイクになりました。

 

  

 後半のワーク。今回の言い換えのお題は2つ。1つは、様々な文化を説明せねばならない「おみくじ」。これは、最近のチームやさしい日本語の渾身のお題ですが、行うたびに新たな発見があります。もう一つは上郡の名産品「モロヘイヤ羊羹」をやさしい日本語でPRしようというものです。モロヘイヤは上郡で栽培されており、蕎麦やパイに練りこんだお土産もあります。

ベトナム人のハーさんは。「ベトナムではスープにして、毎日食べますよ」と教えてくれました。ここでは参加者の高校2年生のももちゃんが「羊羹はお菓子です。甘いです。やさしい味です。モロヘイヤが入っています。モロヘイヤは緑の野菜です。元気になります。」と短いセンテンスでPR文を作ってくれました。さすが若い!頭が柔らかい!と舌を巻きました。

 

 上郡町の住民の皆さんは、やさしい日本語でインバウンドのお客様を迎える準備ができています。

姫路から30分、豊かな自然とワイナリーのあるこの町に、足を伸ばしてもらいたいと思いました。

 

                                            (記:岸本・老邑)

 

 

                ハーさん、ご協力ありがとうございました!