福井県は、大きく嶺北、嶺南と文化、経済圏が分かれており、
嶺北は福井市、嶺南は敦賀市が主要な都市です。
この度、福井県様から依頼を受けて、1月21日に福井市で2回、1月24日に敦賀市で1回の
やさしい日本語の講座を行うこととなりました。

午前 ~行政のやさしい日本語研修~
1月21日火曜日、午前に嶺北・福井市の福井県国際交流会館で、
行政や国際交流を担当されている方に向けて、やさしい日本語研修を行いました。
講師は老邑、アシスタントは髙橋、畑中が担当しました。
この講座には18名の方が参加されましたが、3名の福井県国際交流員の外国人もオブザーバーとして参加されました。
いつものように1時間のやさしい日本語についてのレクチャーの後、
ワークショップを45分行いましたが、終了後にワークショップをもっと長くやりたかったとのご意見が寄せられました。

今回のワークショップでは、疑似防災無線の内容を
やさしい日本語で外国人に説明するという、言い換えワークを行いました。
昨年の能登半島地震の時は、福井でも地域の防災無線から警告が流れましたが、危険なことが起きているとことはわかったが、使われている文言がよくわからなかったという話が外国人国際交流員から出ました。
普段、日本語を使って仕事をしている彼らでも、何をすればよいのか、何をしたらいけないのかが分からなかったのなら、日本語に不慣れな人にはハードルがあったと思います。
また、スピーカーの音量の問題で言葉が判別できないこともあったとのことで、防災無線の聞き取りにくさを訴える声もありました。
防災無線が有効に活用されるためには、一般的なコメントとやさしい日本語の2段積みで放送したり、
防災用語に慣れるために、外国人も地域の防災教室に参加することが役に立つのではないでしょうか。
今回、福井県の中でも被害の大きかったあわら市から来られた方は、
なかなか進まない復興について、外国人の方に積極的にやさしい日本語を使ってお話しされていいました。
その様子を拝見して、大きな災害を子供たちや外国人には、ぜひ、やさしい日本語を使って語り継いでもらえればと感じました。
(記:老邑)
午後 ~企業向け やさしい日本語研修~
午前の部の行政向けに続き、午後は企業向けの内容に一部を換えての実施です。 (講師:畑中、アシスタント:老邑・髙橋)

メーカーの方、組合の方、NPOの方など11名が参加されました。
まずは、クイズ形式で在日の外国人の皆さんについてあれこれと確認。
福井県のことも問題として出しました。
そして、職場でのコミュニケーションポイントを具体的なやさしい日本語での言い方例とともにお伝え。
その後は言い換えに挑戦です。
こちらは3種類の画像で、それぞれ「何か」「いつ、どのように使うのか」など、
表現を工夫し、やさしい日本語で伝えるというワークです。
実際に外国人の方から、質問をしてもらっての言い換えです。

ついつい日常的に使うことばになりがちで「うーん…」と考えこまれる様子も見られました。
一方では、「は・さ・み」を活用し、とてもシンプルに質問に応えるというやりとりも聞こえてきました。
今回は、外国人社員の方も参加されており、日本語の何が難しいのか、
どのように伝えたらわかりやすいのか などの話をしているときに、
大きくうなずいて聞いてくださっていたのが、印象に残っています。
また、地元の福井新聞が、講座の様子を取材に来られたのですが、記者の方も積極的に言い換えに挑戦してくださり、
「日頃、当たり前に使っている日本語を、見直してみることも大切ですね」という感想をいただきました。
このように、違う視点を持つことがやさしい日本語に近づく一歩かもしれません。(記:畑中)
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北澤佐智子 (金曜日, 24 1月 2025 23:26)
研修に参加しました北澤佐智子です。
一月には珍しい穏やかな天気で、研修していただきありがとうございました。とても勉強になりました。頭で理解していても実際やさしい日本語を使って話すのは難しいものですね。トレーニングが大事だなと実感しました。
福井は大雨、地震、大雪といろんな災害が起きます。やさしい日本語は本当に必要です。私の上司もやさしい日本語に関心がある方で、今度課内で、受講内容を伝える研修をします。ちょっと坂井市バージョンにアレンジして伝え、実際ワークもしてみようと思います。
やさしい日本語のことを話すと、関心を持ってくれる職員もいます。やさ日の輪を広げて、外国の方も含め、市民にやさしい町にしていきたいと思います。
皆さんにお会いできて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。