教育の現場で、やさしい日本語

 「英語じゃなくてもいいんです」 今回の講座、このやさしい日本語のキャッチフレーズを口にするのは、

 さすがに気が引けて…。

 

 大阪私学国際教育研究会様から、「やさしい日本語~多文化共生のバイパス~」と銘打った講座の依頼を受け、

老邑(おいむら)が講師をいたしました。

 

 517日に大阪の金蘭会高校で研究会の総会の一環として行われたこの講座、参加者は研究会所属の

ベテランの教師の方々、しかも、みなさん英語科の先生! 普段、英語の重要性を説かれている先生方は、

このキャッチフレーズをどのように受け止められるだろうと、内心、恐る恐るスタートしました。

 

  時間の都合で「やさしい日本語の解説」は、高速レクチャー。

とはいえ、普段から言語教育に携わられているだけあって、「一つの言語としてのやさしい日本語」の説明に

大きく頷いてくださる様子が印象的。

 母語以外でのコミュニケーションの難しさは日々体験されており、伝わりにくいむず痒さを感じておられます。

 

 レクチャーのあと、単語、文章の書き換え練習をしました。

今回は、教育現場のやさしい日本語ということで、「BICS(生活言語)」と「CALP(学習言語)」という観点から出題しました。

例えば「授業参観」「確認」などという言葉。「実際にやることを具体的に」というアドバイスで、あっという間に答が出ました。

 

 文の書き換えは「aの値を求めよ」「文中から19文字で抜き書きせよ」など、

CALPに問題を抱える生徒が不得意とする 単語や命令を含んだ出題文の言い換え。

 先生方が頭を突き合わせて意見を出し合う様子は新鮮で、楽しく拝見しました。

 

今、日本人の生徒たちにも、普通に話すと伝わりにくい場面があり、年々その率は増えているそうです。

「こんな時、やさしい日本語を使えば、コミュニケーションが取れそう」というご意見や、「文を短くするテクニックは、

英語学習にも役立つので活用したい」とおっしゃったのには、わたしも目から鱗でした。

「英語じゃなくていいんです」を英語教師の皆様がネガティブな表現として受け取らず、バイパスとしてのやさしい日本語を、ポジティブに理解してくださり、冒頭の心配は全く杞憂に終わりました。

 

 

 

 

「オーストラリア人教師のレーンさん
チームやさしい日本語バッヂをつけてご満悦」

 

 先生方の笑顔に、わたしも「エナジーチャージ」され、さらなる「やさしい日本語の可能性」に、

気づきと勇気を頂いた一日でした。

 

 最後に、「これ、このまま言うてるわ~」と、笑いを呼んだ書き換え問題を、ご紹介します。

外国人の生徒にわかるよう、言い換えにチャレンジしてみてください。

 

 「今、配布したのが解答用紙です。先に氏名を記入しなさい。

     これから問題用紙を配布します。試験開始というまで伏せて待ちなさい。」

 

                                                        (記:老邑)