(ニチイグループ労働組合 サニーメイド様 日本語勉強会)
「家事支援外国人材」と聞いて、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
これは、地域を限定して規制を緩和する「国家戦略特別区」いわゆる「特区」で
家事代行サービスに従事する「外国人のメイドさん」の正式名称です。
現在、東京、大阪(一部)、神奈川、兵庫など、6つの自治体が特区となっています。
「家事支援外国人材」が家事労働に従事するようになって、今年6年目を迎えました。
今回、フィリピン人のメイドさんの受け入れ事業をする、ニチイグループの
労働組合様からの依頼で、2つの講座を行いました。
1つ目は、組合の職員の方へ向けた「やさしい日本語講座」
(この内容はHP「メンバーの活動紹介」2022/3/16に記載しています)
2つ目はメイドさんへの「日本語勉強会」で、4月17日、23日と2度行いました。
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私たち”チームやさしい日本語”は、これまで日本人へのやさしい日本語の
普及をメインに取り組んできましたが、今回は、日本で働く外国の方への
日本語指導もセットで行うという、チームとしては初めての取り組みと
なりました。
勉強会では、前半の講師を老邑、後半の講師を高橋が担当し、岸本が
オーガナイザーをいたしました。
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メイドさんたちの意識調査によると、日本で働くうえで難しいことは「日本語」と答えた人が8割。
常に言葉の壁を感じている彼女たちのために、教科書とは一味違う、カリキュラムと教材の作成を
目指しました。
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準備の段階で最も心がけたことは、オンラインでの開催ということや、参加される方々の
日本語能力も多様という条件のもと、どうすれば参加者に楽しんでもらえるか、また発話の
機会をどれだけ増やせるかということでした。
かんたんな自己紹介からスタートし、休日の過ごし方、フィリピンと日本の違うところ
今、困っていることなど、徐々にギアを上げる仕組みを考えました。
勉強会の冒頭で、「やさしい日本語講座」を受講された組合職員の方が、やさしい日本語を
使って挨拶をされるシーンもあり、メイドさんたちの反応から、思った以上に伝わることを
実感なさったようでした。
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参加されたフィリピン人のメイドさんたちは、皆さん、とても明るく気さく。
自己紹介では、こぼれるような笑顔で、家族のことを話してくださいました。
「仕事で使う日本語クイズ」にも積極的に取り組み、知らなかった言葉や表現を熱心にメモし
「あたらしいことばを、おぼえました」と嬉しそうに言ってくださったのが印象的でした。
自分のことを日本語で話したり、仕事に役立つフレーズを何度も声に出して練習したりと
日本語のアウトプットをする良い機会になったのではないかと思います。
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最後に「日本語は 少しずつ勉強すれば、絶対上手になります」と締めくくると
「すこしずつ べんきょうします」と、元気よく声をそろえて返してくださったときは
わたしたち講師3人は、思わず「いいね」と親指を立てていました。
「みなさん、これからも 日本語 がんばってください!」
(記 高橋 老邑)