11月15日、TODA ACADEMY様主催の講座
「やさしい日本語 覚えて、試して、使ってみよう」で「AI翻訳とやさしい日本語」に
ついてお話しさせていただきました。
今回の講座は、第1部が言い換え、書き換えのコツ。第2部が「AI翻訳とやさしい日本語」
第3部が、実際に外国人とやさしい日本語でコミュニケーションをとってみる
という盛り沢山の内容でした。
今や、誰もがGoogle翻訳などのAI翻訳機能を使いこなす時代になりました。
その精度も日に日に上がっています。そして、英語だけでなく世界中のあらゆる言語に
対応しているものも増えてきています。AI翻訳があれば、理論上は世界中の人と
日本語だけでコミュニケーションが取れる時代だということです。
でも、AIが翻訳したものが本当に正しいのか、わからないことも多いです。
そこで、今回は総務省の研究期間である国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が提供
しているスマートフォン向けのアプリ、「Voice Tra」を使い、入力した日本語と
逆翻訳の結果を比べてみました。どんな言い方をすればうまく伝わるのか
たくさんの例文を使って試しました。参加者の方には、AI翻訳を使う際にその癖を知ること
そして「やさしい日本語」を使うことが有効だと実感してもらえたようです。
第3部では実際にインドネシアにいる日本語学習者と話してもらいました。
学習者の皆さんは日本人に聞いてみたいことをそれぞれ考えてくれていました。
日本の祭りについてや、飲み会文化についてなど、楽しい話題で会話しました。
中には「どうして日本は自殺が多いのですか」など、すぐには答えられないような
難しい質問もありましたが、日本人の皆さんは、覚えたやさしい日本語を使って
なんとかわかってもらおうと真剣に取り組まれていました。
私が今回の講座で伝えたかったことは、どうしてやさしい日本語が必要なのかということです。
日本で暮らす外国人が直面する言葉の壁は、私たちが想像する以上に高く厚い壁です。
その壁を少しでも低くするために、私たちができることの一つがやさしい日本語を話す
ことだと思います。でも、言葉ではなかなか伝わらない現実があります。
そんな中、参加してくださった方々の表情がだんだん変化していき、最後の学習者との交流で
一段と笑顔が増えたのを見て、私は改めて体験することの大切さを実感しました。
今後もこうした体験型のワークショップをもっと提供していきたいと思います。
そうしてやさしい日本語の認知度を上げ、誰もが当たり前にやさしい日本語を話す
世の中にしていくことが私たちのミッションなのだと思います。
(記 高橋)